「得体の知れない『恐れ』から自由になる」○○から自由になるシリーズ(5)

オンラインで対話しながらひとつのテーマを探求していく「○○から自由になるシリーズ」。

第5回のテーマは「オバケと恐れの共通点は?〜『得体の知れない【恐れ】』から自由になる」です。

冒頭、みいちゃんと一緒にファシリをしている海さんの

「恐れについてひとりで黙々と探求しました、って人、みいちゃんくらいしか知らないんです」

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という言葉にまず震えました(笑)

恐れについて探求する、って、そこがまず怖い(笑)!怖いものみたさもあり、出くわすの怖いー、もありの矛盾した気持ちに。でも、視聴しながら一緒に探求してたら、愛と信頼の世界が見えてきちゃったよ!そんな興味深い「恐れ」探求の世界をレポートします。

まずはじめに、「最近自分の中にある恐れはどんなことか」ということをグループに分かれて話し合います。
恐れには、実際に危険な出来事が起きた時に身体で感じるものと、身体感覚はないけれど頭の中で起きるものの二種類があるのだそうです。

「今日は、頭の中に巣食っている恐れにフォーカスします。今抱えている、こういうことが起きたらどうしよう、と恐れてることを話してきてください」と、みいちゃん。誘いかけるみいちゃんの口調は「楽しいよ〜☆」って感じですが、話してくる内容は「恐れ」です(笑)。グループ対話が気になる!

みんな、どんなことが怖いの?

グループ対話からは、こんな「恐れ」が出てきました。

「ひとりぼっちになることが怖い」「お前のせいだ、と言われるのが怖い」「病気になること」「たいしたことないのがばれることが怖い」…

そうした「怖い」には実体がない、とみいちゃんは言います。

「過去の体験に対して自分が意味づけした、そのストーリーを怖がってるんです。」(みいちゃん)

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「きゃー、そ、そこにオバケが!」…って思ったけど本当はカーテンが風に揺れているだけだった、というのと同じことを、わたしたちは「恐れ」についてしているようです。

それでは、わたしたちは日頃、どんな風に恐れを扱っているのでしょうか。

恐れを回避するために、何してる?

「お前のせいだ、と言われるのが怖いんです」と、ご参加のAさん。以前に実際そういう体験があり、孤独を感じた、だからそれを二度と味わいたくなくて、いつも完璧に準備をするようにしている、と言います。

「『人から責められる』という体験をする、っていうところがオバケ屋敷だから、そこには入らないようにする、というのがルールになっているよね。でもそのお化け屋敷の実体は、過去それが起きた時に痛みがあった、っていうことだけなんだよね。そこには、また同じことをやらかしたら必ず同じ痛みがやってくるはずだ、という方程式がある。でも、本当にそう?」
みいちゃんが問いかけます。

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「前そういうことがあって、そこから時間が経った。Aさんもいろいろ進化してるじゃない?今『お前のせいだ』って言われても、違う体験を創り出せる可能性があるよね、今だったら。」

でも、「恐れ」はその可能性を受け取らない、とみいちゃんは言います。そこは痛みの領域だから、必死に「立ち入り禁止」という防御壁をつくっている。そのエネルギーは膨大だ、と。

恐れは、体験がなくても発動するのだそうです。

「わたしは、お金と絶縁するのが怖い。実際には、したことないんですけど。」とBさん。

「お金がゼロになるの怖いから、大切にしなくちゃ、と思いますよね。そしたらどんな風にお金を使いますか?本当はこんな風に使っちゃだめなんじゃないか、という思考と、いやいやこれは投資だからいいんだ、という思考のせめぎ合いになりますよね。アクセルとブレーキを同時に踏んでいる感じ。スッキリしてお金を使う、っていう世界はやってこないですよね。…もし本当にゼロになったらどうしますか?」

「なんか考えますね」

「うん、なんとかするんですよ、たぶん。そのまま死んじゃうってことは実は難しい。でもその『なんとかする』っていう体験は、恐れにおつきあいし続ける限り、やってこないんです」

…リアルにお財布が空っぽになってから「なんとかする」のもなかなか大変そうです。できれば体験したくない気もする。でもそれが怖くて回避し続けて、ブレーキとアクセルを踏み続ける人生を送り、最後に残るのが「あー良かったなんとか逃げ切れた」っていう安堵感だけだったら、どうだろう?ちょっと考えてしまいます。

オバケ屋敷をつくってるのは何?

「これが怖い、と思ったものを書いてみたとき、それは実体のないストーリーだ、ということが分かるかどうかがまず大事です。」とみいちゃんは言います。

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「見て、これはストーリーだなと分かったら、そこにはだんだん囚われなくなります。そのストーリーを採用することで自分が避けたい痛みは何なのか、ということに自覚的になるといい。自分は何のためにそれをやっているのか、ということを自覚できるだけでいいんじゃないかな、と思います」

そして、そのストーリーはどんなバリエーションでも結局「ひとりぼっちで死ぬ」というところに行き着くのだそうです。

「死なないように頑張る、というのが生存本能の機能で、それは悪いわけじゃない。でも人間は機能だけじゃないですよね?人間は創造し、選択して生きていく。どうやって自分の人生を生きていきたいか、という豊かな部分がある。」

それなのに、オバケ屋敷に入らないようにするためにブレーキをかけて、その豊かな部分に触れられずにいる…そんな構造が見えてきます。

オバケ屋敷の中に、何がいるの?

「じゃあブレーキかけなければいいんだな」って思いますが、その前にまず、そのブレーキがどんな時に、どんんな行動として発動しているのかを知る必要があります。続いてのグループ対話は、それぞれが持っているブレーキはどんなものかを話し合う時間になりました。

楽屋裏トークでは「わたしは恐いところにあえてつっこんでばーんとクラッシュする。ブレーキ壊しちゃうんだよね(笑)」と話す、みいちゃん。なんというか、ブレーキに関する人の多様性が垣間見える一言でした…

「ブレーキをかけ続けて得られるのは、よく頑張った、っていう効力感だと思います。じゃあ得られなかったものは何かというと、自分の人生で本当に欲しいもの、だよね。本当だったら自分のエネルギーを費やせたはずの、他のこと。創り出したい物に使えたら得られたもの。だから、最後は、『どうしたい?』という問いです。」(みいちゃん)

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「急いで何かをする必要はないです。無自覚なうちはこれしか選べないんだ、というところにも、慈愛を持ってほしい。」

でも今自覚したでしょう?そうしたらそこをじっくり見てあげて、とみいちゃんは言います。自分はこういうことをしているんだ、と気づくことが最初のステップ。自覚したら「そのブレーキをかけるの?かけないの?」という選択が生まれる。「かける」を選んでもいい。堂々とブレーキかけたらいい。でも、そうじゃないんだったら、「かけない」を選んでもいい。

「それをやり続けていったら、必ず心地いいほうが選べるようになっていく。人間はそうなっています。だから、急いで何かをする必要は何もないんです。早くブレーキ外さなくちゃ、って急がなくていい。選択肢が生まれてくるまで、自分と丁寧につきあっていくこと。プロセスはそれだけです。」(みいちゃん)

「うわー、ブレーキかけてました!やめやめ!」とばっさり行くのではなく、そんな自分を、愛をもってじっくり見てみる。そこには、避けようとしていた痛みと本当の望みが、気づかれることを待っている。

オバケ屋敷の中に、不格好だけど憎めない、愛すべき何かがいる…そんな手触りを、たしかに感じました。

筆者:八田吏(CCCファシリテーター養成講座プロコース3期修了生)

 

【まとめ動画】(約2分10秒)
○○から自由になるコミュニティ・ラーニング【シリーズ第5回】
オバケと恐れの共通点は?〜「得体の知れない【恐れ】」から自由になる hosted by 由佐美加子

 

【次回のご案内】

2016/11/29(火)20時~
○○から自由になるコミュニティ・ラーニング【シリーズ第7回】パートナーシップにありがち?
「人生を窮屈にさせる【お互いへの期待】から自由になる」 hosted by 由佐美加子

イベント詳細は こちら から。